「ジェリーフィッシュは凍らない」市川 憂人 [書籍紹介]
スポンサードリンク市川 憂人さんの ジェリーフィッシュは凍らない (創元推理文庫)
第26回鮎川哲也賞受賞作。
80年代を舞台にした、少しSF的な要素があるクローズド・サークルものです。
新しい技術を搭載した小型飛行船"ジェリーフィッシュ"。技術の開発者6名を乗せた試験飛行中に一人が死体となって発見され、やがて機体は暴走して雪山に閉じ込められ、次々と犠牲者が・・・
宣伝文句に、 そして誰もいなくなった (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 1-1)) や 「 十角館の殺人〈新装改訂版〉 「館」シリーズ (講談社文庫) が引き合いに出されていますが、フーダニットというよりはハウダニットの傾向が強い作品です。
物語は、"機内"、"刑事"、"犯人の独白" を繰り返して展開します。刑事同士の軽快なやり取りなどはあるものの、Howがかなり複雑で、数十ページに渡って徐々に真相が明らかになるという形式なので、読みやすさや、「そうだったの!?」という瞬発力のあるどんでん返しを期待する人には向かないかなという印象です。
Amazonのレビューにもあるように、刑事たちのキャラ設定が濃いように感じますが(アメリカのドラマのようなノリ)、シリーズものにしたかたったという思惑のせいなのでしょうか・・・
個人的には、人に勧めることは無いかなという感じです。
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