「空飛ぶ馬」北村薫 [書籍紹介]
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北村薫さんの 「 空飛ぶ馬 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書) 」。
女子大生の主人公と、大学の同窓の先輩である、噺家の円紫師匠が日常の謎を推理していく短編集。
博識で、大人な円紫師匠が名探偵ぶりを発揮します。殺人などの大きな事件ではなく、「喫茶店で3人の女性が紅茶に大量の砂糖を入れていたのはなぜか?」といった、すごく平和な謎を扱っていて全体的にゆったり穏やかな雰囲気です。
一方で、表題作の「空飛ぶ馬」のような人の"優しさ"を描いたものだけでなく、「砂糖合戦」、「赤頭巾」のような、人の"悪意" を感じさせるものもあり、全体がゆったりしている分、ちょっとぞっとするようなところもあります。
また、謎解きとは関係ないところで、ちょいちょい、落語の演目の話が出てくるのですが、その落語も聞いてみたくなりました。
エキサイティングな読書ではなく、物騒な話ではなく、のんびり謎解きをしたいという方には向いている作品だと思います。
#ちなみに、続編の「 夜の蝉 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書) 」は、日本推理作家協会賞を受賞しています。気になります・・・
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