「満願」米澤 穂信 [書籍紹介]
スポンサードリンク米澤 穂信さんの「満願」。
2014年の「ミステリが読みたい!」、「週刊文春ミステリーベスト10」、「このミステリーがすごい!」で1位を獲得し、史上初の3冠に輝いた作品。
「儚い羊たちの祝宴」では独特の世界観が描かれていましたが、本作は、交番勤務の警察官や、バングラデシュに眠る天然ガスの採掘を画策する商社マン、ドライブインなど、もっと現実的な世界が描かれた6つのお話で構成される短編集です。
「夜警」では、あるベテランの警察官が、配属された新人の巡査が警察官としての資質を欠いているという印象を抱く。その不安は的中し、刃物を持って暴れる男性が暴れている現場で相手を射殺してしまい、自身も切りつけられて殉職してしまう。違和感を感じていたベテラン警察官は、この殉職の背後にある動機に気がつく・・・
・・・といった具合に、それぞれのお話で、「なぜやったのか?」という "動機" の方に注目した作品群というのが特徴になっています。「柘榴」は、ちょっと「儚い羊たちの祝宴」にも近い印象を受けました。
どのお話も面白いですが、共通点がわからない事故について調査する中で、じわじわと恐怖が迫ってくるような「関守」が一番好みでした。
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